スポーツチャンバラというニュースポーツに関して
【盾の人】が個人的な意見や感想を書くブログです。
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プリキュアの話です。
娘がハマっておりまして、新生児を抱えたSな人を残し、父娘で映画館へ行ったわけです。
はじめての映画館。ドキドキ夢空間の入り口で熱病を患ったかのような地に足の付かない娘の様子を見てドン引きしつつプリキュア映画デビュー。
うん、意外と楽しかったです。
以下、ネタバレ込みの話です。
娘がハマっておりまして、新生児を抱えたSな人を残し、父娘で映画館へ行ったわけです。
はじめての映画館。ドキドキ夢空間の入り口で熱病を患ったかのような地に足の付かない娘の様子を見てドン引きしつつプリキュア映画デビュー。
うん、意外と楽しかったです。
以下、ネタバレ込みの話です。
プリキュアは変身魔法少女達が悪と戦う女児向けアニメ。一年単位でシリーズが変わって行き、毎年春先に映画で新旧プリキュアの顔合わせ的な話をやるようです。
今回は歴代プリキュアオールスターズ。1チーム平均4人くらいで、10周年だそうだから40人近くのキャラが登場して、それぞれ活躍するわけで、なんかもういろいろ大変だなぁと、製作者の苦労を考えてしまいます。無駄に。
子供達が眠ったまま目覚めなくなってしまう事件が多発。
それを解決しようとしたプリキュア達は夢の世界で楽しそうに遊び続ける子供達を発見する。
子供達を夢の世界に留めているのは、悪夢を食べて子供達を助ける妖精、バクの母親。
子バクの遊び相手として、甘い夢の世界を維持し続けていた。
子供達の開放を要求するプリキュア達に悪夢の化け物をけしかけ、追い返す母バク。
更に歴代プリキュアリストから全プリキュアをそれぞれ夢の世界に閉じ込めてしまいます。
唯一残ったのが、まだリストにも載ってない新米プリキュア達。
先輩方に遠く及ばない非力な身。さあ、どうする?
と言った感じの話です。
この後、夢の世界への潜入→失敗→悪夢と戦いながらの子バク説得へと進みます。
敗色濃厚な新米達に、痛い目に遭うとわかってて何故戦うのか? と問う子バク。
痛い目にあっても放っておけないことがある、と戦い続けるプリキュア。
子バクはかつて悪夢と対峙した時、恐怖に竦んで戦えず、母バクに助けられた。
以降、悪夢退治も遊び相手を探すのも全て母バクがやっている。
夢の世界に居続けるのが悪いことなのか、と問う子バク。
プリキュア達だって甘い夢の世界で楽しんでいるのに、と。
しかし、夢の世界ではプリキュア達が次々に目覚めていった。
迷いながらも母バクに全てを委ねていた子バクは、その姿に動揺する。
この中で印象的だったのが、先生になりたいという夢を持っていたプリキュアでした。
念願叶って先生として生徒達に慕われながら授業をしていたところ、自分ではよくわからない内容をスラスラ解説していました。
夢の中ならよくある話です。が、そこで悟ったわけです。
「私には夢があります。いっぱい勉強してみんなに楽しく教えることが出来る先生になりたいのです!」
どよめく生徒達に、ズルして叶えたくない、自分の力で叶えなくては意味が無い、とキッパリ言い切ります。
心理学の実験で、立場が性格に影響を与えるという結果を出したものがありました。
例えば、先輩という立場や部長という役割を与えることで管理者としての働きを自発的に行わせる、という仕掛けで、それはその人の立居振舞、性格にまで影響を及ぼします。
日本ではよく使われるのですが、これは実際にその立場に相応しい力がなかったとしても、与えられた器を満たす中身になろうと努力する呪いなのです。
呪いとは、良く作用すれば「まじない」、悪く作用すれば「のろい」です。
薬と毒にも似た性質があります。
夢が叶った環境を用意して、実際にそれっぽくなっていく、というやり方は現実的に効果があります。先輩を作るのは後輩である、立場が人を作る、等々言われるものです。
しかし、過ぎたるは毒のごとし。
分不相応な立場は心身を蝕みます。
アメリカ人は大佐と呼ばれることを好み、日本人は先生と呼ばれることを好む、という話を聞いたことがあります。
これに限らず、芸能人やセレブなど多くの人が望むモノは多くの想いを集める器であり、それだけ大きな呪いになります。
与える者も与えられる者も、よくよく気をつけるべきでしょう。
また、立場の種類そのものが与える影響というものも考えどころです。
先の心理学の実験では看守と囚人の役割を与えて実験したそうです。
それが性格に影響を及ぼしたわけで……まあ、そういうことです。
人を変えるのは意志よりも環境による、というのが心理学の答えらしいです。
実際、盾の人も環境に心身を蝕まれた人を何人も見てきました。
さっさと環境を変えればいいのに、と思うのですが、呪い師は大概足止めの呪いとセットで仕掛けています。曰く、環境を変えたらもっと悪いことが起こる、と。タチの悪いカルトみたいですね。
さて、プリキュアです。
甘い夢を自ら打ち破り、プリキュア達が全員集合、悪夢と戦います。
プリキュアは基本的にドラゴンボールのような格闘戦です。
40人近いキャラクターがそれぞれの見せ場を作る格闘戦……製作者の愛が試されています。
次々に倒されていく悪夢。しかし、それ以上に数が増えていく。
悪夢は自己増殖を始め、ついに母バクの制御を離れていった。
無差別に暴れ始める悪夢を止めようと母バクは力を振るおうとするが、もはや限界だった。
そんな母バクを助けるために立ち上がるニート子バク。
バクの力をプリキュア達に与え、共に悪夢と戦いに行くという。
そんな子バクを止める力もなく、行ってらっしゃいと笑顔で見送る母バク。
走り去る子バク。
その後姿を見ながら、母バクは涙を流す。
この涙ですが、立派になった息子に喜ぶ涙じゃないんです。
どう見ても、独り立ち「されてしまった」寂しさの涙です。
別離の寂しさは誰にもある感情でしょう。しかしこの母バクの場合、それまでの行いがいかなる心から為されたものなのかを示してしまっています。
悪夢の退治を自ら行い続けたのも、覚めない夢の世界を作って子供を囲い込んだのも、全て自分の「母親」という立場を守るための行為でした。
結局、依存していたのは母バクの方だったわけです。
本来、子どもや若者というのはエネルギーに満ち溢れています。
それを社会に添う形で流せるようにするのが親をはじめとする大人の役割でしょう。
しかし、広い視野と深い経験から得られる大人の理屈は、そのままでは子供や若者に通じないことがしばしばあります。これを噛み砕いて教えるのが先生の役割であり、武器となるのが倫理や道徳、宗教といった呪いです。
これを怠れば若者が暴走し、過ぎれば子供が萎えてしまいます。
微妙なさじ加減ですので、これを行う先生は聖職と呼ばれるわけです。
しかし、先生というのは読んで字の如く、先に生きる人の事です。年齢にかかわらず、その道の先にいる人全てがそうです。つまり、すべての人が誰かの先生なのです。他人事ではありません。まして親なら尚更です。
マズロー曰く、欲望は生理的なものから自己実現へと5つの段階を持って発生する、と。
この映画では母バクが母親という立場を自己実現の対象とし、その欲望をもって子バクから意志の力を取り上げていたわけです。
バクの力によって優位に立つプリキュア達。
その力を削ぐべく、子バクを襲う悪夢達。
子バクのピンチに命がけで立ちはだかるお友達。
友達を守るという心に導かれて現れる幻のプリキュア。
その力によって増殖を抑えられた悪夢は一つにまとまり、圧倒的な力でプリキュア達を拘束する。
……つもりで、プリキュア達に拘束される。
唯一残ったのが非力な新米プリキュア。
全力を尽くして最大の攻撃を叩き込む。
子バクは物語中一度恐怖に屈して、悪夢に囚われたお友達を見捨てました。
そんな子バクが恐怖に立ち向かい、甘い夢に抗う勇気を示した時、お友達は命懸けで助けたのです。
環境の前に意志などチリのようなものです。何かを変えたければ、時間か場所か人を変えなければなりません。意志の力だけで行う変化は三日坊主のダイエット、筋トレ、日記、勉強です。
……非力ですね。いやー、書いてて心が痛いです。
しかし、その非力な意志の力が無ければ、周りがどんなに手を差し伸べても意味がないのです。無価値な徒労、どころかむしろ邪魔者扱いされて助ける側がダメージを受けます。
しかし、甘い夢の世界に囚われていたとしても、それを打ち破る勇気を見せてくれれば、全力で助ける価値があります。
釣りと同じで忍耐を要します。このタイミングを見計らう技術は間合いを計る武芸の業です。一芸を万芸に通す最大のポイントなんじゃないかな〜とか思います。
そしてどんなに弱くとも、自分の意志を示す勇気は、即ち戦士の心です。無駄だから、非力だからと流されるままの心は羊のそれです。剣士としてその道に立つのなら、老若男女問わず戦士として立って欲しい。
そんな風に思います。
その後、プリキュア達は悪夢を倒し、それぞれがそれぞれの夢に向かって歩み出します。
スゴイなーと思ったのは、この映画は関わる全ての人を満足させようとしてる、という製作者の意志を感じたことです。
本来のターゲットである幼稚園女児はもちろん、その付添に来るであろう親兄弟、全シリーズにこだわりを持つ大きなお友達、新シリーズを宣伝したい運営関係者。
広く様々な階層の人達を同時に満足させる。これは盾の人が目指している事であり、それを成し遂げたこの映画にはただただ脱帽するばかりです。
ふと隣を見ると、娘が放心状態でした。
ちょっと前までは敵やらピンチやらで怖がって、泣いたり目を背けたりしていたものでしたが、70分の間完全に物語の世界に入りっぱなしでした。
成長したものだなーとか思いつつ、戻ってこーいと声をかけ、映画館を後にしました。
Sな人と合流し、面白かったねーとか盛り上がりながら駐車場へ歩いて行くと……娘が止まりました。
シルバニアキッチン。
絵本の世界を取り出したかのようなメルヘン溢れる人形&ジオラマをリーズナブルに提供するシルバニアファミリー、の公式レストラン。
ああ、娘が吸い込まれていく。
いやまあ、予想はしていましたけどね。
分かりやすすぎるくらい魂がはみ出して地に足がつかない様の娘に、なんかこう、一歩引いて生暖かく見守りつつ、一線を引いて自分の心を守りたい的な心理が働きまして。
しかし、そんな父を逃がすまいと手を引く娘と身代わりに差し出すSな人。
抗う勇気など湧いてきませんでした。
結局、うさぎの着ぐるみが歌い踊る店内で娘が齧りついている甘い夢を形にしたようなふわふわのわた菓子。のような魂がはみ出してるような盾の人でした。
夢が……甘い夢が覚めてくれないよ!
あ、ご飯は普通に美味しかったです。
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プロフィール
HN:
盾の人
性別:
男性
自己紹介:
身長178cm 体重65~8kg
杖以外は一通り扱える
マルチプレイヤーモドキ
使う得物ごとに
動きを変えるのが信条
2001年 世界大会
短刀の部 優勝
2003年 全日本大会
グランドチャンピオン
2004年 世界大会
楯小太刀の部 優勝
2005年 世界大会
楯小太刀の部 優勝
2006年
国際スポチャン協会
日本スポチャン協会
優秀指導者賞
10位 受賞
杖以外は一通り扱える
マルチプレイヤーモドキ
使う得物ごとに
動きを変えるのが信条
2001年 世界大会
短刀の部 優勝
2003年 全日本大会
グランドチャンピオン
2004年 世界大会
楯小太刀の部 優勝
2005年 世界大会
楯小太刀の部 優勝
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国際スポチャン協会
日本スポチャン協会
優秀指導者賞
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