日常が突然、非日常に……

　盾の人は基本的に、昼はボランティア的なスポチャン普及活動を、夜は教室での指導をして生活しています。

　今日はそんな日常の典型的なスケジュール……だったはずでした。

　まずは東京の児童館で体験教室です。
　最近、指導者として修行中の竹の人を拾って向かいます。

　この時はまだ気付きませんでした。この後に待っている、非日常への展開に。

　今回の児童館は人数が30~40名程度と、よくある規模の体験教室です。この人数なら用具にも余裕があるし、時間にも余裕が出来ます。竹の人の指導を指導するのにはちょうど良い規模です。といっても、丸投げとかはしません。やはり、盾の人が依頼された以上、盾の人が全体を進行させます。で、プログラムの中の一つを竹の人に任せます。

盾の人　「何を指導する？」
竹の人　「じゃあ、打ち込みで」

　いきなり痛いの来ました。体験教室での打ち込みは初めてに近い子供達ばっかりなので手の内が利かず、打点も悪いので、小学生でもかな～り痛かったりします。まあ、それを矯正するために打ち込みをやるわけですが、最初の一回はものすごく痛いです。そんな打ち込みを志望するとは……さすが竹の人。ドMですね！師匠想いですね。実際は一番手馴れたプログラムだからでしょうけど。

　思いっきり打っていいよ、と言う言葉通り、本気で力一杯打っていく小学生達。打たれる度に竹の人の頭が激しく上下されています。中には文字通り日本人離れした力の子供もいて、竹の人は見た目通りに痛がっていました。

　そんなこんなで打ち込みやら合戦やらで竹の人がのた打ち回って体験教室は終了。今回も参加した子供達が楽しそうだったので良かったです。
　で、今度はそのまま幸ヶ谷教室へ。今度は竹の人が生徒になります。

　竹の人は応用が大好きです。しかし、基礎が少なめ。というよりも基礎練習に対する理解度が低い、と言えるでしょう。言われたことは一生懸命やってますからね。ただ、ちょっと人より基礎の燃費が悪いという事です。
　そんなわけで、今は基礎的な戦い方の練習中。肥やしを撒いてる状態です。
　そして幸ヶ谷にはもう一人、竹の人と身長も体格もキャリアも似たり寄ったりの生徒がいます。こちらは基礎が多めで応用に欠ける、という竹の人とは正反対のタイプです。
　いやー、ライバルがいるって良いですね。

　そんな二人に指導しつつツッコミしつつ、時間になって稽古終了。
　ファミレスでエネルギー補充と体内の冷却をしていると青い人が合流。そして差し出される紙袋。

盾の人　「？」
青い人　「あんた誕生日だろ」
盾の人　「おお！」

　毎年のことですが、スパッと忘れていますね。昨晩、Sな人から0時ピッタリにおめでとうコールを貰っていたのにもかかわらず。
　そうこうしてると携帯にメールの着信が。さっきの生徒からのバースデーメールでした。
　いやもうなんていうか、練習では大して汗かかなかったですが、こんなところで目から汗が出そうでした。

　実家に帰れば大量のケーキが待っていたりして、平凡な日常がなんだかとんでもなく幸せな非日常になりました。