盾の人は少年少女ではないので、当然審判としての参加です。
前回は8月開催という事で大っっっっ変暑く、開会式の時点で倒れる選手が続出しましたが、今回はそういったトラブルはありませんでした。参加選手が実力通り力を発揮できたという意味で、大変良かったと思います。ただ、参加選手の数自体はさすがに夏休みだった前回ほどではなかったのが残念なところです。
この大会は国のスポーツ推進事業の一つとして、『100の甲子園作り』という企画に去年から参画しました。各スポーツの少年大会に聖地を定め、地域からの代表チームがそこに集まり、雌雄を決するというものです。
スポーツチャンバラ発祥の地と言えば横浜ですが、ここは多くのスポーツ団体によって候補地になっており、とてもマイナースポーツであるスポチャンが入り込む余地がありませんでした。というわけで会長の生まれ育った場所である静岡県由比町がスポチャンの聖地として定められたと言うわけです。ちなみに由比町なんて聞いた事も無いって人が大半だと思います。盾の人もそうでした。とりあえず静岡と伊豆の中間だと思っておけば良さそうです。サッカーの清水エスパルスの地元、清水市の東京寄りのお隣になり、日本一の桜海老産地です。
メインイベントは小学生から中学生までの地域別団体戦によって優勝を争う大会で、基本動作団体戦と打突団体戦が行われました。
基本動作団体戦は圧倒的な技量によって四国チームが二年連続優勝、打突団体戦では関東がこれまた二年連続優勝をしました。
基本動作は今回から一級審判員によって判定が行われました。気剣体の一致を最重要視するという判定に統一され、それによって四国チームが優勝したわけですが……恐ろしく上手いですね。技術的な点で難癖つけることは出来ますが、盾の人が勝負したとしても四国チームの一人にも勝てないでしょう。それくらい圧倒的でした。ポイントとしては、集中力とキビキビした動作、というところでしょうか。それが拮抗してはじめて技術的な差異が判定される感じです。勝ちたいという気持ちが無く、ただ漫然とした練習をしているだけでは永遠にあのレベルには及ばないでしょう。
さて、メインイベントの団体戦は他の競技と違ってあっという間に終了。というわけで、残りの時間はついでのおまけで段級別個人戦が行われました。
盾の人はコート割り振りにより決勝コートの審判員となっていたので、それはそれはレベルの高い試合を特等席で見ることが出来ました。中でも特筆するべきはグランドチャンピオン戦の決勝戦でしょう。
個人戦の最強決定戦として各段級、各種目別の優勝者がくじによって完全ランダムに定められたトーナメントを戦っていくグランドチャンピオン戦。組合せによっては序盤で潰し合いがあったかもしれませんが、偶然か必然か、その決勝戦はまさに最高の戦いになりました。
高校生対中学生という図式。
一本目、高校生の速い扇打ち横面に、中学生は全くついていけず、まともに喰らいます。もし一本勝負だったら、この一撃で試合終了でした。しかしこれは決勝戦で三本勝負。そこがミソでした。
あまりにも速い一撃に呆然とする中学生。しかし、構え直し、二本目が始まるまでのわずかな間に動揺から立ち直り、戦いを組み立て直していました。
二本目、扇打ちを警戒してやや裏側をガードしつつ遠間に位置する中学生。そこに牽制で放った高校生の甘い扇打ちに合わせて一歩踏み込んでいきます。当然、高校生も黙って近寄らせるはずも無く、中段への扇打ちを放ちます。しかし、中学生は既に中段から上段にかけて裏側に剣を立てており、完全にガードされます。中学生は更に踏み込み、ガードした剣をそのまま掬い打って胴を打ち払い、一本。見事でした。
三本目の勝負。高校生がヒット&アウェイによる小手打ちを繰り返します。相変わらずのスピードですが……一本目と違って半歩遠い間合いからの攻撃です。スピードを覚えられ、扇打ち一辺倒で、間合いが遠ければ打つ場所もタイミングも軌道も全て読まれた状態です。攻撃をするのは一方的に高校生でしたが、プレッシャーをかけているのは中学生でした。そしてタイミングを計り、一撃を決めたのは中学生。二本目と同じ胴の掬い打ちでした。
スピードや体格によって勝負が決まるわけではないというスポチャンの奥深さがよく表れた名勝負でした。また、双方にとって得るものの多い試合だったのではないでしょうか。中学生は一本勝負であれば完全な負けでしたし、高校生は戦い方のバリエーションを身に付ける、そしてそれを選択するだけの心の強さを鍛える必要があるでしょう。そうして更に強くなって11月の世界大会にて、外国選手と戦っていってほしいものです。
そんなこんなで面白かったこの大会。しかし、盾の人には一つ不満な点が有りました。それは……昼休みに桜海老の掻き揚げ販売が無かったこと! 楽しみにしてたのに! んー残念!
むしろ動画だけ見てると、盾の人が楯小で戦ってるシーンが少なくて危ないところです。
「盾の人? あーこの青い人か」となって、盾の人=青い人→自作自演乙! って感じでー。
で、忘れた頃にひょっこり出場してアッサリ何か持って帰ってくるってあたりに一票。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
杖以外は一通り扱える
マルチプレイヤーモドキ
使う得物ごとに
動きを変えるのが信条
2001年 世界大会
短刀の部 優勝
2003年 全日本大会
グランドチャンピオン
2004年 世界大会
楯小太刀の部 優勝
2005年 世界大会
楯小太刀の部 優勝
2006年
国際スポチャン協会
日本スポチャン協会
優秀指導者賞
10位 受賞